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「あ、燃えてる。」
鼻につくにおい。焦げくさいにおい。
すっかり闇に覆われた街の一か所がオレンジに光っている。
パチパチと音を立て、火の粉を舞いあげる。
そこは恋人の家だった。


自分の中の何かが崩れ落ちた。消失感に襲われる。
目の前が真っ暗になる。暗い、暗い闇の中に放り込まれたようだ。
現実を受け止められない。頭が追いつかない。



嘘だ、嘘だ、うそだうそだウソダウソダウソだ嘘だ・・・・
やめろ、連れていくなよ。離れるなよ、逝くなよ、いやだ!!!!

虚無。

もうなにもない。生きていて何が楽しいのか。
これから先笑える日なんて来るはずがない。
そうか、離れてしまうなら、追いかければいい。



全てを夢だと信じたい愚か者は、愚かな行動にでる。




あ、燃えた。
あの時と同じ、炭素が燃える不快なにおい。
父さん、母さん、ごめんなさい。
でももう生きることはできない。だめなんだ。
だからせめて・・・・。


「―――――――――。」


何かが自分のことを呼んだ気がした、その瞬間。


                      目の前が熱いオレンジに染まる。


「あぁ、焦げくさい。」
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11.18 (Fri) 22:23 [ お題 ] CM0. TB0. TOP▲
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